へき地医療への思いを胸に。
研修医時代から救急医療・へき地医療に携わりたいという思いがあり、へき地医療に取り組む新潟県村上市の病院で初期臨床研修を行いました。その後、縁あって山形県の北村山地域にある病院で在宅医療に従事、地域医療にもっと貢献できる道として、2019年春、自身のクリニック開業を決意しました。最初に開業支援を打診したのは、医療卸の専門部隊です。その際、MARUKIさんとチームを組み、開業支援を行いたいという話をいただき、MARUKIさんとの関係がスタートしました。将来を見据えた力強いフォローアップは、医療機器商社として地域の医療状況をしっかり把握しているMARUKIさんならではのものでした。
患者さんにとっての満足を
大切に。
診療科目を内科・整形外科としたのは、整形外科医としての専門性を発揮しながら内科全般について診ることのできる「地域のかかりつけ医」をめざしたからです。何か体に不調があったら「まずは相談してみよう」と考えていただくこと、そして可能な限りこの場所で治療が完結する、そんなクリニックにしたいと考えています。診療機器については、MARUKIさんからの提案を受けながら、CTに替わるものとしてX線透視装置を導入しました。これにより、リアルタイムの動画画像を見ながら骨折や脱臼などの整復を行うことが可能になりました。また、限られたスペースで有効なリハビリテーションができるように、ウォーターベッドや低周波刺激装置、ホットパックなど、最新の物理療法機器を導入、「気持ちいい、楽になった」という患者さんにとっての満足を大切にしたいと考えています。
順調なスタート、
でもまだまだやれる。
2020年秋の開院となったため、コロナ疑いのある患者さんがやってくることも想定しなければなりませんでした。そのため、屋外のカーポートをテントで覆い、そこに大型ストーブを設置し、発熱のある患者さん用の診察室にしました。へき地医療に取り組む村上市の病院では、1日に60〜70人の患者さんを診療していました。開院以来、順調な滑り出しだったとはいえ、村上市の病院では繁忙が続いていたことから、今はまだまだやれるという思いもあります。前述の忙しさから推測できるのは、高齢化が進む山形県には、骨粗しょう症の患者さんがたくさんいると考えられます。しかし残念ながら、その治療についてはそれほど盛り上がっていません。高齢者の骨折は、骨自体が弱っていることに起因することが多く、今後は、骨粗しょう症の予防にも取り組んでいきたいです。